「国分太一くん、箸は右手で持とうよ」by横澤彪
J-CASTニュースのテレビ番組コーナーに、元フジテレビプロデューサーの横澤彪(よこざわたけし)氏がテレビ番組にまつわるコラムを書いています。
その2007/6/27版が「国分太一くん、箸は右手で持とうよ」という記事で、内容はテレビの食番組で左手で箸を使っている国分太一さんが気になる、右手で箸を使うようにしたらどうなのだというものですが、多少あおりの入った文体もあって物議を醸しているようです。
国分太一さんといえば、本館「左利きの小ネタ」内、「左利きの有名人」リストにも掲載している方で、サブページも作っています。先にも書いたように、番組中でも頻繁に左利きを拝見できる方です。
ただ、最近公開された映画「しゃべれども しゃべれども」では、平山秀幸監督(ひでゆき…)に「落語家に左利きはいない」と言われて右手で箸を使う練習をした、というエピソードがあったりします。
この「落語家に左利きがいない」という言葉がどういう意味で言われたのかはよく分からず、実際には左利きの落語家さんはいらっしゃるので(立川志の輔さん、林家いっ平さん、桂ざこばさん、桂出丸さん…)、何か高座で左手を使ってはいけないような決まりでもあるのか?と思っているのですが、それなら日常生活シーンの箸まで右手を使わせる演出は必要なのか?とも思うわけです。
そんなことを考えていた矢先の今回のWebコラムですが、このような年配者の発言は今でもけっこうあって、以前書いた「読売新聞「人生案内」に左利き矯正の相談」に出てくるような、「孫の左利きをなじる祖父母」という状況の家庭もまだ実在していたりします。このような世代の人がテレビ局に「食番組で左で箸を使う人が見苦しい」と投書することも実際にあるようです。
というわけで、うちのサイトも「普通にメディア上で左手を使っている著名な左利きの人を大量に見せる」「それが当たり前の状態であることを把握してもらう」ことを目的として長いこと(10年…)やってきているのですが、横澤氏のような人の考えが変わるのはなかなか大変かもしれません。
今回のコラムの件も、瞬間湯沸かし器のように「炎上」して、その時だけ差別だ人権だと高らかに叫んだ後は、急激に冷めてしまったりする方もいらっしゃるのかもしれませんが、その中のわずかでも長期的に考えてくださる方が出てくることを期待して、これからも細く長くやっていこうと思います。
追記: (2007.7.3)
続きの記事が2007/7/ 2版で出ました。
「国分太一くん、オレも左利きなんだ」というタイトルで、内容は「自分も左利きで矯正したので君も右手を使ったほうがいい、芸事で右手を使うのは日本の文化だ」というものですが、以前に書いた朝青龍関の左手手刀問題を思い出したりもしました。
(参照:バックナンバー「朝青龍」カテゴリ)
「朝青龍くん、手刀は右手で切ろうよby内館牧子」ということですが、あのときも実はかなり歴史の浅い懸賞金の手刀(昭和以降らしい)を日本古来の文化であるような表現をしたり多少疑問に思う部分があって、そのような風習を前提として左右を論じるのはどうなんだろう、現代に合わない風習に則った「伝統」は変えても良いのではないか?と思ったりもしているわけです。
また、「自分が左利きで矯正したので自分の子供(孫)も」というように経験者からの立場で利き手矯正をすすめられるということは決して少ないことではありません。ただ、親がスムーズに利き手矯正したからといって、必ずしも子供もストレスを受けないとは断言できないことが分かってきているので、このような考えは危険な場合もあるのです。
いずれにせよ大変むずかしい問題で、一著名人のWeb記事とコメント欄で解決できることではないのですが、このような考えを多くの人が目にするきっかけにはなったのではないかと思います。
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